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畳づくりの現場には、技術だけでなく、人と人とのつながりがあります。
的場たたみ店で15年にわたり仕事に携わってきた由美さん。
畳の世界へと歩みを進めた背景や、女性ならではの視点で感じてきたこと、そして畳文化を未来へつなぎたいという想いについて、お話を伺いました。

仕事にかかわるきっかけ

的場たたみ店に嫁いで30年。
お店自体は、由美さんが嫁いでこられる以前から続いており、ご主人が2代目、初代は約60年前から畳屋を営んできました。

もともと由美さんは医療事務として個人医院に勤務。患者さんと接する仕事にやりがいを感じながらも、2人目のお子さんの出産と、ご家族の体調の変化をきっかけに退職し、子育てと家のことを優先する生活に入りました。

その後、お父さまが職業病ともいえる膝の不調で人工関節の手術を受けられ、現場作業が難しくなったことから、自然な流れで畳の仕事を手伝うようになったのが、商売に関わる最初のきっかけでした。

女性目線が生む、安心感と信頼

畳の知識は、最初はほとんどゼロ。
「医療事務とはまったく畑違いでした」と話す由美さんですが、人と話すことが好きだった経験は、今の仕事に大きく生きています。

仕事を通して、子育て中にはなかなか出会えなかった幅広い年代の方、特にご高齢の方と話す機会が増え、さまざまな人生のお話を聞くことが楽しみになりました。

畳の種類や色の説明は主にご主人やお父さまが行いますが、
「女性目線だとどう思う?」
「自分だったらどうしたい?」
と意見を求められることも多く、由美さん自身も“頼りにされている”と感じる瞬間が増えていったそうです。

また、畳工事はお客様のご自宅の中に入る仕事。男性だけで伺うよりも、女性が一緒にいることで、安心感や親しみやすさが生まれるといいます。
ご主人も「一緒に来てもらった方が、明らかにお客様の反応が違う」と感じており、お父さまは工場作業を中心に、ご主人と由美さんでお客様対応に伺うスタイルが定着しました。

お茶の時間から生まれる、新しいご縁

お客様のお宅で「お茶でもどうぞ」と声をかけていただき、一緒にお話しする時間も大切なひととき。
何気ない会話の中から、新たな仕事の相談につながることもあり、「商売にとって、とても大事な時間」だと感じています。

仕事に携わるようになって15年。
「大きな苦労はあまりない」と話しつつも、商売には良い時も悪い時もある。その波と向き合いながら、続けてきました。

畳の魅力と、業界の現実

由美さんが感じている一番の寂しさは、和室が減っていること。
昔は、お殿様や身分の高い人しか座れなかった畳が、時代とともに人々の暮らしに広まり、日本の住まいの中心となってきました。しかし今では生活様式の変化により、畳の部屋そのものが減り、住宅から姿を消しつつある現状に、寂しさを感じています。

畳の香りには癒し効果があり、消臭作用もある「天然の空気清浄機」。
ECOで、リバーシブルに使えることで長く使えるなど、良い点はたくさんありますが、「どう伝えていくか」が大きな課題です。

近年は、車いす利用や寒さ対策として、フローリングの上に畳を敷きたいという相談も少しずつ増えています。

体験を通して、畳を身近に

畳の良さを伝えるために始めたのが、ミニ畳づくりワークショップ
畳表や畳縁を自由に選び、自分だけの畳を作る体験です。さらに、握力が弱い方でも参加できるよう、シール式の畳コースター作りも新たにスタートしました。

滋賀県では的場たたみ店にしかない畳縁や、鬼滅の刃柄、くまモン柄など、選ぶ楽しさも大きな魅力。

熊本まで足を運び、信頼できる生産者から直接仕入れた「い草」を使うなど、素材にも強いこだわりがあります。

また、畳を作る際に出る端材は“飾る「い草」として提案。
介護する側・される側、双方にリラックス効果があるとして、プレゼント用としても喜ばれています。

次世代へ、畳をつなぐ

この春、京都で修行していた息子さんが戻られ、この春からはご主人と息子さんが中心となってお客様対応を担当。
由美さんは工房での糸切り作業や、家族の間をつなぐ役割を担っています。

ご主人は1級畳製作技能士を取得し、重要文化財の修復にも携われる技術者。令和7年度「おうみの名工」を受賞されました。息子さんも2級を取得し、来年は1級に挑戦予定です。「畳は文化財になってもおかしくない、日本の大切な文化。だからこそ、技術も想いも受け継いでいきたい」

これからの夢

今後は、畳の魅力を伝えるイベントを続けながら、
「畳を手作りする体験」にも挑戦したいと考えています。誕生日や記念日に、親子で畳を作る。

作る過程を通して、家族への感謝や、空間を大切にする心を育てられたら――。

「畳には、見えない魅力がたくさんあります。それを、これからも丁寧に伝えていきたいです」

由美さんのリフレッシュ方法

忙しい仕事の合間のリフレッシュは、友人とのランチ寺社仏閣巡り
特に神社巡りが好きで、京都で働く息子さんのもとを訪ねる際には、近くの神社を巡るのが楽しみのひとつです。

息子さんに勧められて訪れた、二条城近くの御金神社は、黄金の鳥居が印象的な金運の神社で、とても心に残っているそうです。

また、滋賀の太郎坊宮もお気に入りで、近隣の小さな神社を見つけては足を運んでいます。最近では東寺を訪れ、その荘厳な雰囲気に癒されました。

「静かな場所で気持ちを整える時間が、また前向きに仕事に向かう力になっています」

由美さんのお話から伝わってきたのは、畳そのものへの想いだけでなく、「人」と「暮らし」を大切にしてきた姿勢でした。
畳の知識は後から身につけながらも、女性ならではの視点や、相手に寄り添う会話が、お客様との信頼関係を自然と築いています。

和室が減り、畳の需要が厳しくなる中でも、ミニ畳づくりや体験型の取り組みを通して、畳を「触れて、感じて、好きになる」きっかけを生み出している姿が印象的でした。
また、職人として誇りを持つご主人と、次世代を担う息子さんを支えながら、家族で畳文化を守り、未来へつないでいこうとする想いも強く感じられます。

畳は、ただの床材ではなく、心を整え、暮らしにやさしさをもたらす存在。
由美さんの言葉一つひとつから、そんな畳の本当の魅力が伝わってきました。

的場たたみ店では、伝統的な畳から現代の暮らしに合う商品まで、 幅広いアイテムを取り扱っています。 伝統の縁つき畳はもちろん、リビングや洋室にも馴染む 縁なし畳・モダン乱敷き畳・カラー畳など、多様な畳をご提案。 お部屋の雰囲気やお客様の暮らし方に合わせて、最適な畳をお選びいただけます。 設置場所を選ばない置き畳も取り扱い、和室がないお住まいでも畳のある暮らしを楽しめるようになっています。

的場たたみ店

■ 店舗情報

的場たたみ店では、伝統的な畳から現代の暮らしに合う商品まで、 幅広いアイテムを取り扱っています。 伝統の縁つき畳はもちろん、リビングや洋室にも馴染む 縁なし畳・モダン乱敷き畳・カラー畳など、多様な畳をご提案。 お部屋の雰囲気やお客様の暮らし方に合わせて、最適な畳をお選びいただけます。 設置場所を選ばない置き畳も取り扱い、和室がないお住まいでも畳のある暮らしを楽しめるようになっています。

畳だけでなく、ふすま・障子・網戸・カーテン・クロスといった内装品も豊富にラインナップ。 古典的な柄からモダンなデザインまで、インテリア性の高い商品を多数ご用意しています。 さらに、畳に関するお手入れ用品や、刃物研ぎ・畳の加熱乾燥・シロアリ駆除・内装工事一式といった サービスにも対応。お部屋まるごとの快適な空間づくりをサポートしています。

日々の暮らしに寄り添う商品とサービスで、 的場たたみ店は「住まいの心地よさ」をトータルにサポートします。

的場たたみ店

住所:〒521-0314 滋賀県米原市春照853-2 長浜ICより車で約15分、米原ICより車で約15分

電話:0749-58-0511

メール:matoba-ttm@zc.ztv.ne.jp

定休日:日曜日

支払い方法:現金・各種カード・コード決済OKです

アクセス:https://maps.app.goo.gl/rf4fSvgM4nN9M4Nx7 

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