地域の需要から生まれたクチートとみおか
お話を聞くと、お店の始まりは2008年に遡ります。冨岡さん自身が子供の体操服を買いたいと思った際、山東小学区に販売店がなかったことから、自分で始めることを決意したそうです。同じ地域に住む親世代の声を聴き、冨岡さんはその需要を感じて、制服販売とお直しを行うお店「クチートとみおか」をスタートさせました。商工会の職員や豊国商事さんたちに相談しながら開業されました。
「クチートとみおか」は制服販売を軸にしつつ、地域のニーズに合わせて多様なサービスを提供されています。
2008年は志賀谷にお店を開いていましたが、2018年に池下に移転されました。
移転を機に、新しい取り組みをはじめられました。少子化やファストファッションの影響でお直しや制服販売の需要が減少していることから、冨岡さんは他にも創意工夫を凝らし、地域の人々が利用しやすい場所としてお店を開放されています。
皆さんのチャレンジをお応援したい
「2018年の移転前に日本政策金融公庫主催のカフェの学校に行っていたことが、今の経営にとても役に立っています。」
経営の基礎、原価計算を学び、カフェのプレオープンも経験され、厳しい指導も受けたが、大変勉強になったそうです。
「起業を考えておられる方は、カフェの学校や米原市商工会で主催されている経営塾等を受講されると今後の経営の役に立つと思いますよ。」
自身も起業した経営者という立場から「皆さんのチャレンジを応援したい。」という思いが強く、事業を考えている方や開業されたばかりの方等の相談に乗り、事業のチャレンジの場としてお店の場所を提供されています。
「占いをしたり、ミシンに触っていただけたり、BBQをしたり、ギターの練習をしたり、お菓子作りをしたり、利用者の用途は様々です。」
ガーデニングでリフレッシュ
「趣味はガーデニングや土いじり。仕事の合間のリフレッシュになっています。」
お庭の横にはハーブ畑があります。お店で出されるアイスティーにも自家製ハーブが使われています。
「また気の置けない友人と持ち寄りで食事したり、ハーブテントに入って汗を書きながらお話ししたり、私自身もこのお店を楽しんでいます。」
車椅子対応のシャワーやトイレが完備され、みんなが楽しめる空間になっています。
地域への思いと未来への展望
冨岡さんは地域への愛情が強く、地域の活性化に一役買いたいという思いから、様々なサービスを提供しています。
「将来の展望としては、このお店を、商品開発を通じて地域の魅力を広めたり、さらに多くの人々に楽しんでもらえる場にしたいです。」
「個人的には、死ぬまでミシンに触っていたい。みんなに囲まれて過ごしたい。好きなことを仕事にしていたいです。」
自己犠牲と地域貢献のバランス
冨岡さんは、自己犠牲は良くないとしながらも、自分さえ良ければ良いという考えには共感できないとおっしゃっていまいた。地元の人々に寄り添い、地域の活性化に尽力することが大切だと感じている様子が伺えました。座右の銘は、「ずるいことをして生きたくない」「自分だけ儲かったら良いではない。まず地元!」というもので、地域への情熱がこめられています。
冨岡さんのお店「クチートとみおか」は、地域に根ざし、多様なサービスを提供することで人々の生活に彩りを添えています。これからも地域との共生を大切にし、さまざまな挑戦をしていくことで、地域社会の発展に貢献していくことでしょう。