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石とともにこの町で続いてきた仕事 伊吹に根ざす材店—— 堀川石材店・堀川栄美子さんの仕事

石とともにこの町で続いてきた仕事 伊吹に根ざす材店—— 堀川石材店・堀川栄美子さんの仕事

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目次

滋賀県米原市伊吹にある堀川石材店。

現在は創業から約95年。この地で石と向き合う仕事を続けてきた歴史は、まもなく100年を迎えようとしています。伊吹の暮らしの中で、石の仕事を家族で受け継いできました。

今回お話を伺ったのは、堀川石材店で経理や事務を担当されている堀川栄美子さん。

石材業を取り巻く今の状況やこれからのこと、そしてご自身の「いきいき」について、穏やかな言葉で語ってくださいました。

家族で受け継ぐ、石の仕事

堀川石材店の始まりは、明治の終わりごろにさかのぼります。

初代が奈良で石材の修行を積み、伊吹の地へ戻って石積みや石加工の仕事を始めたのが原点でした。その後、長い年月を経て、昭和60年に現在の形として「堀川石材店」を創業。墓石をはじめ、記念碑や灯ろう、建築石材など、地域に欠かせない石の仕事を担ってきました。

現在の代表は堀川清文さん。平成26年に事業承継が行われ、今も家族でお店を支える体制が続いています。

栄美子さんは、清文さんとの結婚を機に堀川家へ嫁いでこられました。

それまでは保育園で長く働いておられましたが、末のお子さんを出産されたことをきっかけに退職。その後、堀川石材店の仕事に携わるようになり、帳面の仕事や銀行対応など、経理を中心にお店を支えています。

現在は石材店の仕事に加え、学童でも働いておられ、「子どもたちと接する時間は楽しいですね」と話されます。

石材店で人の暮らしを支える仕事と、子どもたちの成長を見守る仕事。一見違うようでいて、どちらも人の暮らしに寄り添う大切な役割を担っています。

石材業を取り巻く、変わりゆく時代

少子高齢化やライフスタイルの変化により、石材業界を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。

「墓じまい」を選ばれる方も増え、新しくお墓を建てる機会は少なくなってきました。

滋賀県の石材組合の加入事業者も、かつては90社ほどあったそうですが、現在は約38社にまで減少しています。

「このあたりでも、昔から続いていた石屋さんが次々とやめられて…。伊吹では、今はうちだけになりました」

それでも、お墓の修繕や移設、墓じまいの手続き、寺院境内の灯ろうの修復、石畳の施工など、石の専門知識が必要とされる仕事は今も続いています。

伊吹のホッケー場に設置されたモニュメントも、堀川石材店が手がけたものの一つです。

モニュメントの模型

石の価値を、これからも伝えていくために

取り扱う石材は、国産のものから外国産のものまでさまざま。

近年は原材料費や輸送費の高騰により、石材の価格も上がっています。

「安さだけで選ばれることも多いですが、石はやっぱり丈夫で、長く使える素材。時間が経つほど、風合いが出るのも魅力なんです」

そうした思いから、最近は漬物石や、ペーパーウェイトなど、“身近に使える石”の可能性も考えておられます。

お墓だけでなく、日常の中でも石に親しんでもらえたら——そんな思いが、静かな工夫として続いています。

人とのつながりが、仕事を支えてくれる

栄美子さんが「商工会女性部に入ってよかった」と話してくださったのが、女性部員とのつながりです。

「この地域で、こんなにたくさんの方と知り合えたのは大きかったですね。仕事だけじゃなく、人としてのつながりが増えました」

石材店という仕事は、どうしても表に見えにくい部分も多いもの。

だからこそ、人とのご縁が、仕事を続けていく力になっていると感じておられるそうです。

体を動かし、外へ出る —— 栄美子さんの「いきいき」

栄美子さんの“いきいき”は、体を動かすこと。

ウォーキングは、友人とおしゃべりしながら1時間ほどの散歩を週に3回ほど続けており、長距離を歩くこともあるそうです。

中でも印象的なのが、長浜市から近江八幡市まで歩いた42kmウォーキング。

その道中で、彦根にある通称「あのベンチ」など、歩かなければ気づかない風景や場所に出会えたそうです。

「10時間ほどかかって、正直たいへんではありましたが、不思議とそれほど疲れなかったんです。おしゃべりしながら歩いていたら、楽しくて」

また、お城巡りも好きで、姫路城や二条城は特に印象に残っているとのこと。

アクティブな趣味だけではなく、多肉植物の寄せ植えを楽しむ時間も、日々の癒やしになっています。

もう一つの大きな楽しみが、娘さんの存在です。

娘さんは社会人ホッケー選手として広島県にあるチームに所属し、日本代表に選ばれて、現在も世界を相手に活躍されています。

試合があれば滋賀から応援へ。

「応援に行くのも楽しみの一つですね」と、嬉しそうに話してくださいました。

石とともに、地域の暮らしに寄り添いながら

まもなく100年という節目を迎える堀川石材店。

石の仕事は日常の中で語られることは多くありませんが、お墓や建物、記念碑などを通して、地域の暮らしを長く支えてきました。

暮らし方の変化に向き合いながら、修繕や墓じまいの相談に応じたり、身近に使える石の可能性を考えたりと、その時々に必要とされる役割を丁寧に受け止めてきました。

栄美子さんのお話しからは、人と人との関係の中で仕事が成り立ってきたことを、大切にされている姿が印象的でした。

伊吹の地で、これからも石と向き合い、人の暮らしに寄り添う仕事が、穏やかに続いていきます。

堀川石材店

■ 店舗情報

滋賀県米原市伊吹にある堀川石材店は、まもなく創業100年を迎える、地域に根ざした石材店です。 墓石を中心に、記念碑や灯ろう、建築石材など、石に関わる幅広い仕事を家族で手がけてきました。 石の修繕や墓じまいの相談にも丁寧に対応し、暮らしの節目や想いに寄り添う存在として信頼を重ねています。国産・外国産を問わず用途に応じた石材を扱い、長く使える確かな仕事を大切にしているのも特長です。 伊吹の地で、石を通して地域の暮らしを静かに支え続けています。

堀川石材店

住所:滋賀県米原市伊吹618

電話:0749-58-1610

FAX:0749-58-1611

定休日:不定休

アクセス:JR近江長岡駅から車で10分

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