それぞれのお子さんが同じ高校の野球部に所属していたご縁から、先輩と後輩の親として出会った山室さんと一圓さん。やがて、共に力を合わせてベースワンを立ち上げ、社長と専務として歩んでこられました。今回は、女性部に加入されている一圓さんに、ベースワンの歩みと一圓さんの大好きな旅行についてお話を伺いました。
地元愛から始まった挑戦
京都の知り合いが焼いていた珈琲豆がとてもおいしく、その豆を身近で味わいたい思いからまどか珈琲を始めました。また、同じころに開催された彦根市の“彦根城築城400年祭”で誕生した「ひこにゃん」。その盛り上がりをさらに支えるため、珈琲店の中でひこにゃんグッズを作りだしたのが始まりでした。
「400年祭は1年で終わる予定だったので、最初は山室さんが代表となり個人事業主としてスタートしました。でもひこにゃん人気が続き、本格的なグッズ作りをするために、会社を法人化しました。
現在はプロ野球チームのオフィシャルグッズやコンサートグッズ、アニメ関係などグッズ製造を主としています。
木工から始まったブランドの原点
「ベースワン」という名前には、別の物語もあります。もともとはアメリカン雑貨やカントリー調の木工製品を山室社長が製造し、そのブランド名として生まれたものでした。ハート型の装飾やままごとキッチンなど、アメリカンテイストの木工品を実店舗やインターネットで販売していました。
会社を法人化するにあたり、名前が必要だということで、木工製品のブランド名であった「ベースワン」を法人名としました。
焙煎への情熱と挑戦
自家焙煎珈琲豆を仕入れ、販売する事業もベースワンで引き継ぎ、続けていました。彦根市内の販売店舗やイオンモールでの展開など、事業は拡大していきました。
米原に古民家カフェを開業するのと同時に自社で焙煎する夢が膨らみ、「焙煎機を導入しよう」との思いが募ります。知り合いから焙煎技術を学び、山室社長自ら焙煎に挑戦。そうして誕生したのが、今のベースワンの珈琲豆事業です。
食と農業へのこだわり
ベースワンが次に見据えたのは、地元での農業事業。
彦根工場が手狭になってきたことをきっかけに、米原市梅ヶ原に工場を移転しました。その際、地域のつながりからヤンマー中央研究所よりIOTを活用した農業のお話をいただき、「人手をかけずとも安心して食べられるものを届けたい」との想いから、共同での開発が始まりました。
自社菜園で育てた野菜は無農薬や低農薬栽培を徹底。
給食センターに運び込まれる野菜は、一見見た目はとてもきれいで虫食い一つない野菜ですが、実際には農薬を散布したもの。虫食いがあるものは、逆に納品できない。
本来安心して食べれるものは、虫が食べてもおいしい、虫食いがあるような野菜。
「お客様に安心して食べていただけるものを、自分たちの手で作りたい。」
この理念のもと、自社菜園で野菜を栽培し、そこで採れた野菜や果物を自社のカフェなどで提供。カフェでのサラダ、スムージーやトマトジュース、手作りジェラートなど、体に優しい商品が次々と生まれました。
実際に、一圓さんも山室社長も自社の野菜を食べるようになって、体の調子がとてもよくなったそうです。
地域とともに未来へ
「地元のために、できることを続けていきたい。」
ベースワンの挑戦は、地域のために歩む物語そのもの。新たな挑戦を重ね、地域の皆さんと共に成長を続けています。
私の好きなこと
私にとって旅行は、日常を少し離れて新しい世界を感じる時間。初めて訪れる土地の風景や文化、その場所ならではの美味しいものに出会うたびに、心が満たされていきます。特に、旅先で見つけるカフェや一杯のコーヒーは、私にとって特別なひととき。静かな空間で、地元の味わいや香りを感じながら過ごす時間が大好きです。
そして、これから挑戦したいのが「珈琲のワークショップ」。ただ飲むだけでなく、豆の選び方や淹れ方、そしてコーヒーを通じた人との繋がりをもっと楽しみたいと思っています。旅先での出会いや経験をヒントにしながら、私らしい学びや発見を詰め込んだワークショップを開くことが夢です。
旅行で得たエッセンスを、日々の暮らしや新しい挑戦に繋げていく――そんな風に、私らしい楽しさを広げていきたいと思っています。